HASSENBA HITOYOSHI/KUMA


 

 

 

 

 

 

 

第3回復興デザイン全国大会 復興設計賞受賞

リノベーション・オブ・ザ・イヤー2021総合グランプリ受賞

表紙HP用

被災 (1)

 

2020年7月4日球磨川の氾濫による被災の状況

04_HASSENBA縺昴・莉・20210803-_DSC9846

20210803-_SAR7337

front

20210804-_SAR7445

 

04_HASSENBA縺昴・莉・20210804-_SAR7429

20210803-_DSC0074

20210803-_DSC9824

20210803-_DSC9857

20210803-_DSC9978

20210803-_SAR7367

20210803-_SAR7378

20210804-_SAR7391

20210804-_SAR7406

20210804-_SAR7420

20210804-_SAR7423

 

施主:株式会社球磨川くだり

【背景】

熊本県人吉市。歴史が100年以上ある“球磨川くだり”は木船を使った伝統ある地域の観光拠点である。川から魅せる四季折々の景色は地元住民だけでなく、県内の誰もが知る県南特有の景趣だった。2020年7月4日、その球磨川の氾濫により中心市街地が被害に遭い、多くの死傷者が出る甚大な災害を被った。当施設も床上1.5mの浸水を被り、木船、道具、作業車等、全てが流され土砂と残骸だけが残った。事業として乗船受付、飲食・物販スペースがあったが2016年の地震、昨今のコロナ禍など再三にわたる災害に利用者は激減し、追い打ちをかけたような昨年の水害により事業の再建と球磨川くだりの伝統の継続は不可能と思われていた。

【設計主旨】

2020年7月4日に球磨川の氾濫により中心市街地および当施設が浸水し、多くの死傷者が出る甚大な災害を被った。街全体があらゆる感情に苛まれていた。“球磨川くだり”は100年以上の歴史があり多くの人々を楽しませてきたが再建は絶望的と誰もが思った。しかし事業主の強い意志の元に九州中から有志が集まり復興に向けて走り出す。改修前は人吉城を踏襲した本瓦の和風建築だった。先人の意匠は活用しつつ、外壁をカーテンウォールに改修したことで新旧の意匠が織りなすデザインは復興シンボルに見えるよう意識した。受付の壁には九州中から集めた砂や流木を使い、土砂のイメージは“応援の壁”に変わる。氾濫した川だがそれ以上の”恩恵”をもたらす存在として川に向き合えるシーンを各所に作り、特に大屋根を開口して作ったテラスは川を感じるのと同時に水害時には30人程の一時避難場所になり救助ヘリのピックアップ場にもなる。災害に対し建築デザインが出せるひとつの解だ。四季折々の自然と木船を映しだすカーテンウォールはそれを眺める人々に新しい景色を魅せ、かつての伝統は残る。災害があるからこそ生まれる感情もあり、ネガティブな想いは人や環境、形によって喜びに変えることが出来る。災害という苦境を乗り越え、凱旋を待ち望む。「災害を災凱へ」たった1年で再生したこのプロジェクトは自然災害の多い昨今、一つの希望として多くの人々に知って欲しいと切に願う。

施工:ASTER+カマサキ建設

協力:一平ホールディングス

 

 

 

 



コメントは停止中です。