アーケードハウス
リノベーション・オブ・ザ・イヤー2016の総合グランプリを受賞しました!
アーケードハウス
昭和54年に築造されたこのアーケードは人工過渡期を境に衰退の流れを汲んでおり、現在では営業している店舗も7割を切った。二階の店舗としては店子が入居する程のポテンシャルを失いはしたが住居として用途を変更する事により空き店舗の利活用が出来る。このアーケードハウスに住む施主は隣地に実家があり、この商店街には生まれ育った愛着がある。この二階の大開口をそのまま活かし、愛着あるアーケードの景色をリビングに取り入れ、心の拠り所とすると同時に、アーケードにも灯りを漏らす事で両者の新しい共存関係が出来上がる。
着手前の区画は商店街特有の隣地近接建物による空地が無い為、外壁からの採光は望めない状況だった。そこに区画中央にインナーバルコニーを設ける事でほぼ全ての住空間に自然光を射す様に設計した。植物を育て、アーケード側の開口からリビングを通したインナーバルコニーに抜け感をもたらす事で通常のマンションや戸建てには無い空気感を得られ住まい方に新しいゆとりを持つ事が出来る。この手法は全てのアーケードの二階部分の利活用にも有効であり今後の汎用性を狙っている。
設計:タムタムデザイン 田村 晟一朗
撮影:camekiti
施工:建築なんでも相談室